ABSTRACT 2158(P10-5)
非浸潤性乳管癌におけるErbB2, p53, ER, MIB1の免疫組織化学的検討: 安藤由明1, 岩瀬弘敬1, 岩田広治2, 原 泰夫1, 大本陽子1, 小林俊三1, 藤井義敬 (1名市大・医・2外, 2愛知がんセ・乳外)
Immunohistochemical analysis of ErbB2, p53, ER and MIB1 in ductal carcinoma in situ of the breast: Yoshiaki ANDO1, Hirotaka IWASE1, Hiroji IWATA2, Yasuo HARA1, Yoko OMOTO1, Shunzo KOBAYASHI1, Yoshitaka FUJII1 (12nd Dept. of Surg., Nagoya City Univ. Med. Sch., 2Dept. of Breast Surg. Aichi Cancer Ctr.Hosp.)
[目的] 非浸潤性乳管癌 (DCIS) は浸潤性乳管癌 (IDC) の前段階と考えられ、その生物学的態度をIDCと比較することは極めて重要である。我々は従来の組織構築による組織学的分類に加え、中心壊死や核異型を評価した分類 (国立名古屋病院;市原 周先生の協力による) を採用し、ErbB2, p53, ER, MIB1を免疫組織化学的に評価した生物学的悪性度との関連を検討した。 [対象および方法] 対象は81例のDCISのみ有する乳癌症例 (北九州市立医療センタ−外科;光山昌珠先生から50例提供) で、SAB法によりparaffin包埋切片から免疫染色した。 [結果および考案] IDCとの比較ではErbB2、p53の染色陽性例はIDCに多く、ERはIDCで少ない傾向にあった。また、壊死巣に核異型を加えた分類 (Van Nuys分類) では高異型群、低異型に壊死を伴うもの、低異型で壊死を伴わないものの順に生物学的悪性度の高い傾向があり、組織構築の分類や壊死巣のみを評価した分類よりも生物学的悪性度をより繁栄していると思われた。