ABSTRACT 2160(P10-5)
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イメージサイトメトリーを用いた癌細胞核クロマチン分布様式と乳癌の乳管内進展に関する検討:大竹 徹,君島伊造,福島俊彦,土屋敦雄(福島医大・2外)

Intraductal extension of primary invasive breast carcinoma from the view point of a computer-generated chromatin texture analysis.:Tohru OHTAKE,Izo KIMIJIMA,Toshihiko FUKUSHIMA,Atsuo TSUCHIYA(2nd Dept. of Surgery,Fukushima Medical College)

【目的】Markovian Textures(MT)は核クロマチン分布様式を画像解析により分類したパラメーターの総称であり、乳癌や前立腺癌で予後因子としての有用性が報告されている。今回はイメージサイトメトリーを用いてMT値を計測し、乳癌の乳管内進展との関係について検討した。【対象・方法】浸潤性乳管癌20例の切除標本の2mm厚連続切片から、乳管内進展距離(最大、乳頭方向、末梢方向、側方向)および乳管内進展角度を計測し乳管内病巣の拡がりを数値化した。CAS200(Cell Analysis Systems Inc., USA)を用いて浸潤癌部、浸潤癌巣内乳管内成分、乳管内進展部のFeulgen染色切片から癌細胞約100個のFeulgen吸光量を入力し、画像解析プログラムCell Sheet Ver. 2.0(Bacus Laboratories Inc., USA)によりMT値(20種類)を計測した。【結果】20種類のMT値のうち最大、乳頭方向、末梢方向の各進展距離とそれぞれ7種類、9種類、6種類で有意な正の相関関係を示した。【結語】MTによる癌細胞核クロマチン分布様式の評価は乳管内進展の指標となることが示唆された。