ポスターセッション

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乳癌の乳管内進展の広がりの程度と種々の病理学的因子との関係:黒住昌史^１,末益公人^２,東　靖宏^２,土屋永寿^１（^１埼玉がんセ・病・病理,^２病・外）

Relationship between the grade of ductal spread of breast cancer and several pathological factors: Masafumi KUROSUMI¹, Kimito SUEMASU², Yasuhiro HIGASHI², Eiju TUCHIYA¹ (¹Dept. of Pathol., ²Breast Surgery Clin., Saitama Cancer Center Hosp.)

癌の乳管内進展の広がりの程度を推測することは、乳房温存療法における局所再発の危険度を知る上で重要である。今回、我々は主腫瘤の検索によって乳管内進展の広がりの程度を推測できるか、腫瘤径、核異型度、ER染色の強度、腫瘤内の乳管内進展度と腫瘤周囲組織内の乳管内進展の広がりとの関係について検討を行った。[対象と方法]1992〜94年に温存術を行った浸潤性乳管癌93例を対象とし、切除標本は5mm間隔で全割した。腫瘤周囲乳腺組織内の乳管内進展度はsd0（なし）、sd1（1.0cm以内）、sd2（1.1〜2.0cm）、sd3（2.1cm以上）とし、腫瘤内の乳管内進展度はtd0（なし）、td1（1〜10個）、td2（11〜20個）、td3（21個以上）とし、腫瘤径、核異型度、ER染色の強度およびtdとsdとの関係について検討し、Speaman rank correlation testで検定した。［結果］腫瘤径とsd、核異型度とsdとの間には相関関係はなかった。一方、td軽度群の89.2%はsd軽度群であり、sdとtdとの間には正の相関関係を認めた。また、ER染色では染色強度が高い程、sdの程度も高かった。［考察］腫瘤周囲組織内の乳管内進展の広がりの程度に腫瘤内の乳管内進展度とER染色の強度が関係していることが明らかになった。