ABSTRACT 2164(P10-6)
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Diffuse large B-cell lymphomaの亜型分類:出雲俊之1,柵木信男2,土屋永寿1,31埼玉がんセ・臨床病理,2血内,3研)

Subclassification of diffuse large B-cell lymphoma : Toshiyuki IZUMO1, Nobuo MASEKI2, Eiju STUCHIYA3 (1Dept. of Clin. Pathol., 2Haematol., Clin. Saitama Cancer Ctr. Hosp., 3Saitama Cancer Ctr. Res. Inst.)

<目的> 日本人悪性リンパ腫の1/2弱を占めるdiffese large B-cell lymphoma(DLBL)は、形態、表現形質、組織発生、予後などの異なる症例からなり、各種亜型が提唱されているが、確定した細分類は未だ見られない。予後を反映したDLBL細分類について検討した。<対象・方法> 埼玉がんセンターにおける1984-1996年の悪性リンパ腫541症例から、DLBLと診断された232例を対象とした。病理組織学的にWHO新分類(案)、Kiel分類、WHO新分類を改変した分類(私案)を用いて亜型分類し、予後を比較検討した。また、各亜型の性状を検討するために、免疫染色によるp53,CD5の発現を検索した。<結果> WHO亜型のimmunoblastic variant(5%) とBurkitt-like variant(4%)は有意に予後不良であった。centroblastic variantは90%を占めるが、これをmonomorphic typeとmixed typeに二分すると(私案)、前者は約5年で予後曲線が平坦化するのに対し、後者は10年後も死亡例の見られるfollicle center lymphoma類似の予後曲線を示した。p53陽性例は、有意に予後不良であったが、各亜型との相関は明らかではなかった。<まとめ> 私案のmixed typeは、DLBLの中で独立した病態を示す一亜型であることから、私案にp53検索結果を加えた分類が、最も予後を反映する細分類と考える。