ポスターセッション

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標的器官間における慢性ＧＶＨＤ発現の臨床病理学的比較検討：櫻井一成^1,2,浦出雅裕¹,八十嶋 仁²,松井朝義³，岸本裕充¹，高橋由美子¹，柳澤高道¹ (兵庫医大・歯口外¹，病院病理²，小児科³）

Comparison of pathological analysis on expression of chronic GVHD between each target organs： Kazunari SAKURAI^1,2, Masahiro URADE¹, Tomoyoshi MATSUI³, Hitoshi YASOSHIMA², Hiromitsu KISHIMOTO¹,Yumiko TAKAHASHI¹,Takamichi YANAGISAWA¹,(¹Dept.of Dent.and Oral Surg., ²Dept.of Pathol. [Hospital], ³Dept.of Pediatrics, Hyogo College of Medicine)

［目的］骨髄移植に継発する慢性ＧＶＨＤの発現が系統的かつ一連の現象であることを把握し, 各標的臓器間におけるＧＶＨＤの発現状況を認識することにより，今後の臨床病理学的対応をさらに深めることを視点においた．
［材料・方法］慢性ＧＶＨＤの診断の目的で，本院各科において施行された，標的臓器（口唇腺・口腔粘膜・皮膚・皮膚付属器・肝臓等）より得られた生検材料34症例を検索対象とした．これらについて，臨床症状を加味し，間質反応性を含めた病理組織学的変化の詳細に関して，ＧＶＨＤの程度の相違を Grade分類を行なうことにより比較検討した．また対照として異常所見の示されなかった各部位よりの採取材料（剖検材料）を用いた．
［結果・考察］慢性ＧＶＨＤ変化は，20例（58.9％）に認められた．このうち口唇腺における変化が20／34例 （58.9％）と最も強く，次いで口腔粘膜：13／28例（46.4％），皮膚：10／22例（45.5％），皮膚付属器：7／22例（31.8％），肝臓（胆管系）2／7例（28.6％）の順であった．以上より口唇腺の変化は慢性ＧＶＨＤの変化を把握するうえで最も指標性が高く，口腔粘膜および皮膚における変化は同調性が高いことが判明した．