ABSTRACT 2171(P10-6)
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神経線維腫に生じた悪性末梢神経腫瘍:良悪性の成分の免疫組織学的解析:渡辺哲雄、田宮貞史、恒吉正澄(九大・医・2病理)

Malignant peripheral nerve sheath tumor arising within neurofibroma : An immunohistochemical analysis: Tetsuo WATANABE, Sadafumi TAMIYA and Masazumi TSUNEYOSHI (2nd Dept. Pathol., Kyushu Univ. Sch. Med.)

[目的]同一腫瘍内に神経線維腫(Nf)の成分と悪性末梢神経腫瘍(MPNST)の成分がある神経線維腫症I型の8例に関して両成分を免疫組織学的に比較した。 [方法]MIB-1, 細胞増殖因子(TGF-β/TGF-β受容体, HGF/c-met, PDGF/PDGF受容体)、転写因子(NF1, p53, bcl-2)、N-CAM、およびCD34を用いて免疫染色を行い、MIB-1 labeling index (LI)と各種蛋白の発現を比較した。 [結果と考察]MIB-1 LIはMPNSTの部分がNfの部分より有意に高かった。また、TGF-β/TGF-β受容体, HGF/c-met, p53, N-CAMがそれぞれ4例、4例、5例、3例に於いてMPNSTの部分の方が免疫組織学的に陽性細胞の割合が高かったことから、これらは神経原性腫瘍の悪性転化に関与していると考えられた。一方、NF1,bcl-2蛋白発現に関しては両方の成分の間で明らかな差は見られず、その役割は不明であった。