ABSTRACT 2258(P12-4)
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プラチナ製剤254-Sの薬理動態特性によるDNA障害と細胞周期への影響:河西邦浩,宮木康成,山田詞奈子,山本順子,中村圭一郎,徳毛敬三,本郷淳司,児玉順一,吉野内光夫,工藤尚文(岡山大・医・産婦)  

DNA damage and cell cycle of 254-S depending on pharmacokinetic parameters: Kunihiro KAWANISHI, Yasunari MIYAGI, Junko YAMAMOTO, Shinako YAMADA, Keiichiro NAKAMURA, Keizo TOKUMO, Atsushi HONGO, Junichi KODAMA, Mitsuo YOSHINOUCHI, Takafumi KUDO (Dept. of Ob/Gyn., Okayama Univ. Med. Sch.)

[目的]254-Sの至適投与法の確立のため薬理動態に基づく接触を行いDNA障害と細胞周期変化を検討した.
[方法]ヒト卵巣癌細胞株BG-1に対し254-Sのヒトin vivoデータに基づくsimulation接触と一定濃度接触を行った.抗腫瘍効果の評価は,DNA障害(DNA crosslink)をalkaline elution 法で,細胞周期をflow cytometryで,殺細胞効果をcolony formation assayで行った.
[成績]殺細胞効果は,同じAUC値でも高濃度接触に比べ低濃度接触の方が強かった.AUCが大きい程crosslink index (CLI)は増大し低濃度接触はその傾向が強かった.接触法に関わらず殺細胞効果はCLIに対数比例しており閾値が認められた(CLI=0.02).細胞周期変化では特に低濃度接触でS期の割合が増え,同じAUC値でも接触法により細胞周期への影響に大きな差がみられた.
[結論]crosslink量と細胞周期変化には関連があると示唆された.254-Sの投与方法は,DNA crosslinkをより増大させる少量持続投与が効果的と思われる.