ABSTRACT 2259(P12-4)
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新規白金制癌剤 Oxaliplatin のヒト癌細胞に対する作用機序の検討:軍司宮子1、島田安博 2、白尾国昭 2(国立がんセ・中央病・1 薬物療法、2 内科)

Mechanism of Oxaliplatin on human cancer cell lines :Miyako GUNJI,Yasuhiro SHIMADA,Kuniaki SHIRAO(Dept. Internal Medicine, National Cancer Center Hospital )

【目的】新規白金制癌剤であるOxaliplatin(Trans-l-diaminocyclohexane oxalatoplatinum)のヒト由来癌細胞株に対する in vitro における抗腫瘍活性を報告した(第56回日本癌学会)。本剤とCDDP(cisplatin)の作用機序を比較するため、flow cytometry を用いて検討を行った。
【方法】同調処理をしたヒト胃癌株 KATOIII、大腸癌株 HT-29を用いて細胞周期に対する影響を検討した。また対数増殖期にある細胞に対する各制癌剤の増殖抑制作用を、処理時間・濃度を変えて検討した。
【結果】Thymidine、Hydroxyurea により G1/S 期に同調した細胞に短時間IC50濃度を接触させた結果、CDDP、Oxaliplatin は S 期と G2/M期に増殖を抑制したが、CDDPは S 期に、Oxaliplatin は G2/M 期により強い効果を示した。また、CDDPはS期を増加後G2/M期に集積されたがOxaliplatinはS期、G2/M期を蓄積後、G1/Sを増加しcontrolと同様のhistogramに戻った。また対数増殖期にある細胞に対し、薬剤処理時間、濃度を変えて検討した結果、CDDP は長時間のS期遅延のあとG2/M期への集積が見られたが、OxaliplatinはG1期を増加しS期へ進行した後、G2/M期への集積が見られた。また細胞株による違いは見られなかった。以上の結果からCDDPとOxaliplatin の作用機序は類似しているが、CDDPが主にS prolongationとG2/Mblockに作用するのに対しOxaliplatin はG1/S blockにより強く作用することが示唆された。