ABSTRACT 2264(P12-5)
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In vivo におけるBOF-A2の抗脳腫瘍効果とその5-FUの分布:中川秀光1,都築 貴1,井阪俊彦1,山田淳二1,平山 東1,広橋 満21大阪成人セ,2大塚製薬K.K.)

Antitumor effects of BOF-A2 on experimental glioma (203 glioma) and 5-fluorouracil distribution in subcutaneously and intracerebrally implanted 203 glioma and in ethylnitrosourea (ENU)-induced glioma: Hidemitsu NAKAGAWA1, Takashi TSUZUKI1, Toshihiko ISAKA1, Junji YAMADA1, Azuma HIRAYAMA1, Mitsuru HIROHASHI2 (1Dept. of Neurosurg., Osaka Med. Ctr. for Cancer & Cardiovasc. Dis. ,2Otsuka Pharmac. Co., LTD.)

[目的] BOF-A2の脳腫瘍の化学療法への応用を検討すること[方法]マウス皮下並びに脳内移植203 gliomaに対するBOF-A2(経口投与)の抗脳腫瘍効果ならびに30mg/kg投与後の血清、正常脳、皮下及び脳内移植腫瘍における5-FUの分布を検討した。さらにN-ethyl-N-nitrosourea (ENU) で誘発したラット(Wistar) gliomaにおける15mg/kg投与後の5-FUの分布も検討した。[結果]20-40mg/kgの7日間の連続投与にて濃度に比例した皮下移植腫瘍の有意な縮小効果と脳内移植マウスの生存期間の延長が認められた。皮下腫瘍の腫瘍縮小効果は連続投与群(A)と3日連続後1日休み投与群(B)との間に差はなく,3日連続2日休み投与群(C)との間には差(p<0.05)を認めた。一方脳内移植マウスの生存期間は,A,B,C群ともに対照群に比し有意な生存期間の延長を認め,ABC群間の差はなかった。5-FUの分布は,マウスよりラットが血清,脳,腫瘍ともにその濃度が長時間持続する傾向を示し,マウスでは皮下腫瘍の5-FUの濃度は血清濃度よりも高値を24時間維持し,ラットでは12時間以上の血清濃度の維持と24時間後でも脳,脳腫瘍に比較的高濃度の5-FUの分布を認めた。[結論] BOF-A2は脳腫瘍の化学療法剤になりうる可能性を示唆した。