ABSTRACT 2267(P12-5)
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モノクローナル抗体を用いた腫瘍内 human thymidylate synthase 検出法の確立:岡部博之1, 阿部正章1, 鈴木光明2, 川井俊郎3, 福島正和11大鵬薬品・第二がん研 ,2自治医大・産婦人科, 3自治医大・病理)

Detection of intratumoral thymidylate synthase using monoclonal antibodies: Hiroyuki OKABE1,Masaaki ABE1, Mitsuaki SUZUKI2, Toshiro KAWAI3, Masakazu FUKUSHIMA1, (1Taiho Pharmaceutical Co., Ltd., 2,3 Jichi Med. Sch.)

[目的]最近 5-FU 系抗癌剤の効果予測因子として注目されている腫瘍内thymidylate synthase(TS)の検出法を確立するため、recombinant human TS(rhTS)およびnative human TS(nhTS)を用いてモノクローナル抗体を作製し、TS検出法について検討を行った。[方法]rhTSはhuman TSのcDNAをクローニングし、タンパク発現用プラスミドに組み込み大腸菌内で発現させ精製した。nhTSは、ヒト腫瘍株から定法に従いカラム精製を行った。rhTSをBALB/cマウスに投与後、マウスの脾細胞とミエローマを融合し、ハイブリドーマを作製してTSに特異的な抗体を産生する2種類のクローンを樹立した。同様にnhTSを用いてハイブリドーマを作製し、TSに特異的な抗体を産生するクローンを2種類樹立した。得られたハイブリドーマをヌードマウスに腹腔内移植後の腹水から精製したIgGを用いてウエスタンブロット法によるTS検出および基礎腫瘍あるいは臨床検体の免疫組織染色を行った。[結果]ウエスタンブロット法では腫瘍のTSタンパクのみを検出し、高い定量性が認められた。あらかじめTS発現量を測定した基礎腫瘍を免疫組織染色した結果、TS発現量に応じた染色結果が得られた。また、臨床検体においても良好な染色結果が得られ、本抗体が臨床応用可能であることが示唆された。