ABSTRACT 2274(P12-6)
 ポスターセッション一覧 トップ 


術前tegafur坐薬投与による大腸癌細胞のアポトーシス:松浦隆彦1,五藤章1,坂谷貴司1,藤高嗣生2,福田康彦2,西阪隆3,,井藤久雄11鳥取大・医・一病理,2県立広島病・外,3県立広島病・病理)

Apoptosis of human colorectal cancer cells after preoperative treatment with tegafur suppository : TakahikoMATSUURA1, Akira GOTO1, Takashi SAKATANI,1Tsuruo FUJITAKA2, Yasuhiko FUKUDA2, TakashiNISHISAKA3,, Hisao ITO1 (1First Dept.Pathol.,Facul.of Med.,Tottori Univ. 2Dept.Surg.,Pref.Hiroshima Hosp.,3Dept.Pathol.,Pref.Hiroshima Hosp.)

【目的】大腸癌の術前tegafur(5-FU系抗癌剤)坐薬の効果をアポトーシス誘発から検討した.【材料と方法】大腸癌26例を用いた.術前にtegafur坐薬1g/day×2週間連日投与し,切除後ホルマリン固定パラフィン包埋材料から連続切片を作製した.アポトーシスはTUNEL法にて,増殖活性因子Ki-67,及びP53蛋白,血管新生因子であるCD34,VEGFを免疫染色し可視化した.1症例につき1000個の腫瘍細胞をカウントし,TUNEL Index (TI ) 及びKi-67 labeling Index (KI) として求めた.また,p53の陽性率も含めて検討した.【結果】tegafur投与群のTI は6.6±2.2%,非投与群では4.4±1.0%であり,前者で有意に高値を示した(p<0.05).KI は各々66.7±18.2%,78.2±9.0%で投与群で有意に低値を示した(p<0.05).p53遺伝子との関連ではp53陽性例,陰性例共にTIは投与群において有意に高値を示した.他方KIは投与群、非投与群の間に有意な差はなかった.血管新生の関連では投与群,非投与群の間で有意な差はなかった.【まとめ】術前tegafur坐薬は大腸癌のアポトーシスを増加させることが示された.