ポスターセッション

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IMP脱水素酵素阻害による分化誘導効果増強のためのグアニンヌクレオチド合成系抑制方法の検討：稲井邦博、津谷　寛、中村　徹、上田孝典 (福井医大一内)　

Inhibition of guanine nucleotide synthesis pathway to enhance the effect of differentiation induction by IMP dehydrogenase inhibitors, Kunihiro INAI, Hiroshi TSUTANI, Toru NAKAMURA, Takanori UEDA (1st Dep. Int. Med., Fukui Medical University)

　我々はこれまでIMP dehydrogenase (IMPDH)阻害剤の分化誘導効果を検討し、この分化誘導が細胞内GTP濃度の一過性低下によって生じることを報告してきた。今回、分化誘導効果を増強するために、グアニンヌクレオチド合成系の抑制方法について検討した。
　 HL-60、U937細胞は透析により基質となりうる核酸塩基の大半を除去したFCSで継代した場合でも、非透析FCSを使用した場合に比べて分化誘導効果は増強されなかった。次に、それぞれのHPRT欠損亜株HP-11、U1707は親株に比べ、低濃度のIMPDH阻害剤で分化誘導されたが、分化誘導時のGTP低下率は親株が分化誘導された場合と同等であった。しかし親株にnucleoside transportを阻害する目的で、あらかじめ200nMのdipyridamoleを添加するとIMPDH阻害剤単独投与に比べ、低濃度で増殖抑制、分化誘導が認められた。IMPDH阻害による分化誘導効果を増強するには、細胞内GTP濃度を急速に低下させることが重要であると推測され、そのためにはnucleosideの細胞内輸送の抑制をすることが有用である可能性が示唆された。