ABSTRACT 2292(P12-8)
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レチノイド作用を増強する新規チアゾリジン誘導体:影近弘之1,海老澤正幸1,河内恵美子1,深澤弘志1,橋本祐一2,首藤紘一1(東大・1薬,2分生研)

Thiazolidine Derivatives with Retinoidal Synergistic Activity: Hiroyuki KAGECHIKA1, Masayuki EBISAWA1, Emiko KAWACHI1, Hiroshi FUKASAWA1 , Yuichi HASHIMOTO2 and Koichi SHUDO1 (1Graduate School of Pharmaceutical Sci., 2Institute of Molecular and Cellular Biosciences, Univ. of Tokyo)

【目的】レチノイドは核内受容体(RAR、RXR)を介して細胞の分化・増殖を特異的に調節し、特に急性前骨髄球性白血病(APL)に対して優れた治療効果を示す。演者らは、チアゾリジン誘導体がPPAR等の核内受容体のリガンドとなることから、レチノイド様活性化合物として新規芳香族チアゾリジン誘導体をデザイン・合成し、その生物活性を検討した。
【結果】下に例示したチアゾリジン誘導体は単独ではHL-60細胞の分化誘導活性を示さなかったが、Am80等のレチノイドと共存させるとその分化誘導活性を著しく増強させた。特に、TZ335は1.0×10-10MのAm80と共存させた時のEC50が4×10-9Mと、最も強いシナジスト効果を示した。これらはレチノイドの作用を低濃度で引き起こさせることができ、レチノイド療法に新しい展開をもたらすと考えられる。

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