ABSTRACT 2304(P12-10)
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ヒトがん細胞パネルによる抗がん剤スクリーニング - プロテインキナーゼ阻害剤の評価:山崎佳波1,矢守隆夫1,浅野間敬子1,西鶴由美子1,鶴尾隆1,21癌研・癌化療セ,2東大・分生研)

A human cancer cell line panel for anti cancer drug screen - evaluation of protein kinase inhibitors: Kanami YAMAZAKI1, Takao YAMORI1, Keiko ASANOMA1, Yumiko NISHIZURU1, Takashi TSURUO1,2 (1Cancer Chemother. Ctr., Jpn. Fdn. Cancer Res., 2Inst. Mol. Cell. Biosci., Univ.Tokyo)

ヒトがん細胞パネルによるスクリーニングは、薬剤感受性試験とデータベース解析とを組み合わせ、薬物の作用機作や分子標的に関する情報を得ようとするユニークな系である。我々は、この系を確立し、その有用性を検討している。肺がん、胃がん、大腸がんなどを含む計38系のヒトがん細胞と薬剤を48時間接触後、各細胞に対する50%がん細胞増殖阻害濃度を求めこれをパネル全体で見るとその薬剤固有のパターン(Finger Print、FPと略)を示す。COMPARE Programにより薬物間でFPの相関性を検定し、作用機作が推定できる。今回は、プロテインキナーゼ(PK)阻害剤の評価を検討した。18種類のPK阻害剤について調べた結果、いずれも既存の抗がん剤とは異なるFPを示した。PK阻害剤間の比較では、互いに強い相関性(r > 0.5)を示し明らかなグループを形成するもの(Herbimycin 、Radicicol 、2,5-Mecの3者、damnacanthal 、AG825の2者など)、複数のPK阻害剤と弱い相関性を示すもの(Staurosporin)、同じ特異性を持つPK阻害剤であっても互いに相関性のないもの(PKC阻害剤のCalpostin C、Olomoucineなど)などが見られた。これらのデータをもとに、化合物あるいは薬剤のPK阻害活性を予測しうると考えられる。