ABSTRACT 2388(P12-15)
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食道癌術前化学療法のあり方:関口宏之, 秋山清次, 藤原道隆, 小田和重, 松井隆則, 斉藤理, 須田賢, 笠井保志, 伊藤勝基(名大・医・2外)

Neoadjuvant chemotherapy in patients with esophageal carcinoma : Hiroyuki SEKIGUCHI, Seiji AKIYAMA, Michitaka FUJIWARA, Kazushige ODA, Takanori MATSUI, Satoshi SAITO, Satoshi SUDA, Yasushi KASAI, Katsuki ITO (2nd Dept. of Surg., Nagoya Univ. Schl. of Med.)

【目的】術前進行食道癌症例を中心に5-FU + low-dose CDDP (FLDP)の化学療法を施行し、効果、予後より術前FLDPのあり方を検討した。
【方法】投与法は1週間を1コースとし、5-FUは500mg/dayを7日間、CDDPは10mg/dayを5日間で、2コース終了1週間後に効果判定を行い追加投与を検討する。
【結果】対象は進行食道癌44例で2〜4コースの奏効率は55%。化療後の腫瘍切除例は28例、非切除は16例であった。腫瘍切除例の平均生存期間は22.3か月、非切除例では5.6か月。非切除例は化療の効果に関係なく予後不良であった。切除例では化療の効果の高い程予後良好であったが、NC例の予後は非切除例と変わりなかった。
【考察】化療の効果が乏しい症例では、制癌剤による血行性転移促進というadverse effectが優位になったと考えられる。FLDPは2コース施行すれば十分に効果の違いを認める。切除例においてはFLDPの効果が高い程、予後良好であるが、NC症例は非常に予後不良であり、効果が乏しい症例はいたずらに化療を続けることなく、治療方針を変更することが望ましい。