ABSTRACT 2393(P12-15)
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骨髄移植のアジア・太平洋地区共同研究-白血病骨髄移植後のG-CSFの効果と安全性:平岡諦1,正岡徹1, for Asia-Pacific BMT Study Group (1大阪成人セ・内)

Co-operative study of Asia-Pacific BMT Study Group: Efficacy and safety of G-CSF posttransplant in leukemia patients:Akira HIRAOKA1, Tohru MASAOKA1, for Asia-Pacific BMT Study Group(1Dept. of Int. Med., Osaka Med. Ctr. for Cancer & Cardiovascular Dis.)

「目的」欧米に続きアジア・太平洋地域においても各国で骨髄バンクが設立されネットワーク作りが進められつつあるが、骨髄移植医療に関してこの地域特有の問題点もある。そこで1994年3月より9カ国14施設が参加した共同研究が開始された。目的の第一は本邦で行われた二重盲検試験で認められた、G-CSF投与群で慢性GVHDの低発症率が再現されるか、第二に本邦では欧米に比べ急性GVHDの頻度が低いとされているが、アジア・太平洋地域別、各人種別のGVHDの発症頻度を比較すること、第三に、各国別の生存率、脱落率などにより各国の医療レベルを比較し、この様な共同研究を遂行し得るか否かを見ることなどである。ここでは全症例が移植後1年を過ぎた、1997年 月までの観察結果を報告する。「方法」early stageの白血病患者に対するHLA一致同胞間移植後G-CSFを投与した。中国、台湾、香港、韓国、マレーシア、および日本から調査票の回収できた75症例について解析した。「結果」移植後day100での国別の生存率は67%から100%、平均85%と国別に大きな違いは見られなかった。骨髄回復は対照群に比べ、G-CSF群で有意に短縮された。急性GVHDの頻度は両群間で差が無く、II度以上のGVHDは全体で16%と欧米に比べ低率であった。慢性GHVDはG-CSF群で28%、対照群で35%と有意差は見られなかったもののG-CSF群で低率であった。Kaplan-Meier法によるallover survivalおよびdisease-free survivalには両群で有意差は見られなかった。国別移植後1年での生存率は53%から93%に分布し、平均69%であった。