ABSTRACT 2394(P12-15)
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卵巣摘出ラットにおけるクエン酸トレミフェンの血中脂質及び骨に対する影響:渡辺綾子1、田澤洋一2、岡田峯明1、半田淳1(1日本化薬、2イナリサーチ)

The effect of toremifene citrate on serum lipids and bone in ovariectomized rats : Ayako WATANABE1, Youichi TAZAWA2, Mineaki OKADA1, Jun HANDA1(1Nippon Kayaku Co., Ltd., 2Ina Reserch Inc.)

[目的] トレミフェン(TOR)は閉経後乳癌に適応を有する非ステロイド性の抗エストロゲン剤である。類薬のタモキシフェン(TAM)は、抗癌作用に加え、血中コレステロールを低下させて心血管系疾患を予防することや骨量減少を抑制して骨粗鬆症を予防することが臨床的に報告されている。今回、我々は閉経後のモデル動物として卵巣摘出ラットを作製し、TORの血中脂質及び骨に対する影響を検討した。 [方法] 卵巣摘出手術を施した13週齢の雌性SD系ラットにTOR(12.0 mg/kg)又はTAM(11.3 mg/kg)を26週間連日経口投与した。投与終了後、血清中のコレステロール(T-Chol)、中性脂肪(TG)及びリポ蛋白分画比率(HDL, VLDL, LDL)を、また、第4腰椎の骨密度、骨塩量及び骨破壊強度を測定した。 [結果] TOR群では卵摘対照群に比べ、血中脂質で、T-Cholの著明な減少及びリポ蛋白分画比率の変動が、骨で密度及び破壊強度の増強が認められた。なお、これらの変化とその程度はTAMと同様であった。 [結論] TORはTAMと同様に閉経後乳癌患者の心血管系疾患及び骨粗鬆症を予防すると考えられた。