ABSTRACT 2412(P13-1)
QOL維持を目指した新養子免疫(BAK)療法の改良:海老名卓三郎1,小犬丸貞裕2,永田欽也3,田中和也3,高野昇一3,田村啓二4,宇野賀津子5,岸田綱太郎5(1宮城がんセ・研・免疫, 2宮城がんセ・呼吸器,3ビー・エム・エル,4細菌化学研,5ルイ・パストゥール研)
Improvement of new adoptive immunotherapy (BAK therapy) aiming to maintain good QOL: Takusaburo EBINA1,Sadahiro KOINUMARU2,Kinya NAGATA3,Kazuya TANAKA3,Shoichi TAKANO3,Keiji TAMURA4,Kazuko UNO5,Tsunataro KISHIDA5 (1Div. Immunol., Res. Inst.,2Div. Resp., Miyagi Cancer Cent.,3R & D Cent., BML,4Saikin Kagaku Inst.,5Louis Pasteur Cent. Med. Res.)
[目的]現代の医療は“病気”を直して“病人”を治さない憾みがある。そこで我々はγδT+並びにCD16+でCD56+細胞を中心とした副作用が全く無く、QOLを良好な状態に維持し延命効果も期待出来るBAK(BRM activated killer)療法を開発し、今回改良を加えたので報告する。[方法]QOLのマーカーとして最も簡単で信頼性がある10段階のFace scaleにより患者さんの気分を表わしてもらった。固相化CD3抗体とIL-2によりγδT細胞が増加しないが、CD16+NK細胞が増加する人がいることがわかったので、培養2週間後にIFN-α 500U/mlで1時間処理し、NK, LAK活性を増強する改良を加えた。[結果並びに考察]原発巣を手術後、多数の転移巣が見つかった5名の末期癌患者のInformed consentを得て、BAK細胞を平均60億個を点滴静注により月1回又は2週間に1回戻すpilot studyを行った。その結果2名が2年間、3名が1年間QOLをいい状態に維持したまま外来に通院している。これら免疫療法に反応した人はIFN-γ産生γδT細胞が3%以上存在し、培養によりγδT細胞が増加した人である。この研究は宮城県立がんセンター研究所・免疫学部門と病院内科並びに呼吸器科との共同研究である。