ABSTRACT 2418(P13-1)
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溶連菌製剤OK-432より調製したリポタイコ酸関連物質含有リポソ−ムのサイトカイン誘導能と抗腫瘍活性:佐藤光信,岡本正人,合田永,大江剛,吉田秀夫(徳島大・歯・2口外)

Cytokines-Inducing and antitumor activity of liposome-incorporated lipoteichoic acid-associated molecule derived from streptococcal preparation OK-432:Mitsunobu SATO, Masato OKAMOTO, Hisasi GODA, Go OHE, Hideo YOSHIDA (Second Dept. of Oral & Maxillofacial Surg., Tokushima Univ. Sch. Dent.)

OK-432のIFN-γ誘導部位を認識する単クロ−ン抗体を作製しIFN-γ 誘導物質(OK-PSA)を分離した。 OK-PSAはリポタイコ酸関連物質であることが我々の研究より示唆され、さらにin vivoおよびin vitroで強力なサイトカイン誘導能と抗腫瘍活性を示した。今回は、OK-PSA含有リポソ−ム(Lipo-OK-PSA)を用いてサイトカイン誘導能ならびに抗腫瘍活性を検討した。Lipo-OK-PSAはOK-PSAと同様にヒト末梢血単核球よりインターフェロン(IFN)-γ, 腫瘍壊死因子(TNF)-α,β, インターロイキン(IL)-1β, IL-6さらにIL-12の産生を誘導し、ナチュラルキラー(NK)およびリンホカイン活性化キラー(LAK)細胞活性を増強させたが、より低濃度(1/100以下)でOK-PSAと同等あるいはそれ以上の活性を示した。Lipo-OK-PSAにより誘導されたこれらの活性は抗asialoGM1抗体によりほぼ完全に中和された。さらにin vivoモデルにおいては唾液腺癌細胞を移植されたヌードマウスおよび同系腫瘍細胞Meth-A移植BALB/cマウスの両系においてLipo-OK-PSAはfreeOK-PSAに比較してより低濃度で強力な抗腫瘍活性を認めた。さらにLipo-OK-PSAを投与されたヌードマウスの脾細胞においてはNK,LAK活性の増強ならびにasialoGM1, IFN-γ, TNF-α, IL-1β 陽性細胞数の有意な増加を認めた。以上の所見より、OK-432より調製したリポタイコ酸関連物質(OK-PSA)はin vitroおよびin vivoでさまざまなサイトカインを誘導し、抗腫瘍活性を示し、さらに、これをリポソ−ムに封入することにより、より低濃度でこれらの活性を発揮することが示唆された。