ABSTRACT 2419(P13-1)
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ヒト型化抗HM1.24抗体のヒト多発性骨髄腫モデルに対する抗腫瘍効果:吉村康史1,小石原保夫1,川合重人1,尾嵜恭子1,海宝晋一1,小阪昌明21中外製薬・富士御殿場研,2徳島大・医・1内)

Antitumor effect of humanized anti-HM1.24 monoclonal antibody on human multiple myeloma mouse model:Yasushi YOSHIMURA1, Yasuo KOISHIHARA1, Shigeto KAWAI1, Yasuko OZAKI1, Shin-ichi KAIHO1,Masaaki KOSAKA2 (1Fuji Gotemba Res. Labs., Chugai Pharmaceutical Co., Ltd., 2First Dept., Int. Med., School Med., Univ. Tokushima)

【目的】抗HM1.24抗体は、すべての骨髄腫細胞上に高発現しているHM1.24抗原を認識する抗体である。抗HM1.24抗体がヒト多発性骨髄腫マウスモデルに対し、著しい延命等非常に強い抗腫瘍効果を示すことを報告してきた。今回、本抗体のヒト型化に成功したことから、ヒト型化抗HM1.24抗体の骨髄腫モデルでの効果を検討した。
【方法】ヒト骨髄腫細胞株であるKPMM2をSCIDマウスの尾静脈より移植し、多発性骨髄腫モデルを作製した。移植10日目にヒト型化抗HM1.24抗体 4, 20μgを静脈内に投与した。既存治療薬であるメルファランは、1, 3 mg/kgを10日目より5日間経口投与した。薬剤の治療効果は、血中Mタンパク (hIgG) 量の推移と生存期間により判定した。
【結果】コントロール抗体あるいはメルファラン投与群では、Mタンパクが投与前の約1000倍に上昇するのに対し、ヒト型化抗HM1.24抗体投与群では経時的に減少した。これに伴ってすべてのマウスで延命が見られ、70%以上が完全寛解に至った。また、メルファランで見られる体重減少などの毒性は、本抗体では全く観察されなかった。
【考察】ヒト型化抗HM1.24抗体はヒト多発性骨髄腫マウスモデルにおいて、マウス抗体と同様に非常に強い抗腫瘍効果を示したことから、本抗体は免疫療法に基づく新規骨髄腫治療薬になりうると期待される。