ABSTRACT 2420(P13-1)
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ヒト骨髄腫細胞上に発現するHM1.24抗原と抗HM1.24抗体の抗腫瘍効果:川合重人1,小石原保夫1,尾嵜恭子1,若原裕二1,2,吉村康史1,海宝晋一1,小阪昌明21中外製薬・富士御殿場研,2徳島大・医・1内)

Expression of a HM1.24 antigen on human multiple myeloma cells and antitumor effect of anti-HM1.24 monoclonal antibody:Shigeto KAWAI1,Yasuo KOISHIHARA1,Yasuko OZAKI1,Yuji WAKAHARA1,2,Yasushi YOSHIMURA1,Shin-ichi KAIHO1,Masaaki KOSAKA21Fuji Gotemba Res. Labs.,Chugai Pharmaceutical Co.,Ltd.,21st Dept.,Int. Med.,School Med.,Univ. Tokushima)

【目的】形質細胞特異的抗原であるHM1.24は、すべての骨髄腫細胞において強発現している。今回、このHM1.24抗原発現の定量化を試みた。また、抗HM1.24抗体の骨髄腫細胞に対する抗腫瘍効果についても検討した。【方法】種々の腫瘍細胞株におけるHM1.24抗原の発現をFCM、TaqManTM RT-PCRを用いて測定した。マウス抗HM1.24抗体及びそのヒト型化抗体を用いてADCC、CDCを測定した。標的には骨髄腫細胞株及びHM1.24遺伝子導入CHO細胞を用いた。CDCにはウサギ補体等を用いた。【結果】検討したすべての骨髄腫細胞株でHM1.24 mRNAは他の細胞株に比べ強発現していた。ヒトPBMCをエフェクターとした場合ヒト型化抗体で骨髄腫細胞に対する強いADCC活性が認められたのに対し、マウス抗体は活性を示さなかった。抗原発現量を変えたCHO細胞では、抗原発現量とADCC活性に相関が認められた。さらに、抗HM1.24抗体はCDC活性も示した。【考察】HM1.24抗原はすべての骨髄腫細胞株で強く発現しており、免疫療法や診断の標的分子として有用と考えられる。ヒト型化抗HM1.24抗体がヒトのエフェクターでADCCを強く誘導したことから、本抗体の新規骨髄腫治療薬としての可能性が示された。