ABSTRACT 2422(P13-1)
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Human natural (Hn) IL-12 inducerを用いた新免疫療法:八木田旭邦1,丸山正二2,藤塚光晴2,大島かずみ21近畿大・東洋医研,2杏林大・1外)

Novel immunotherapy using a human natural (Hn) IL-12 inducer:Akikuni YAGITA1,Syoji MARUYAMA2,Mitsuharu FUJITSUKA2,Kazumi OHSHIMA21The Res. Inst. of Oriental Med., Kinki Univ., 2 1st. Dept. of Surg., Kyorin Univ., Sch. of Med.)

IL-12はNK細胞やkiller T細胞の活性化のみならず、IFNγの産生増強作用が知られ癌治療において理想的なサイトカインと考えられている。しかし、Recombinant(rt)IL-12は副作用が著明でその臨床応用の障害となっている。そこで担子菌菌糸体成分の経口投与によりIL-12の産生を誘導する新免疫療法を確立した。なかでも、AHCC(Active Hexose Correlated Compound)とPSKとが高いIL-12産生能を持ち、かつ感受性に差があることが判明した。すなわち、T helper 1系マウスではAHCCが、T helper 2系マウスではPSKが最も高いIL-12産生能を有していた。本法を施行した進行末期癌630例中、PR52例、CR40例が得られ、本治療に感受性を示した癌腫は睾丸腫瘍、乳癌、特にpaget's病、肝癌、舌癌、肺癌、卵巣癌、子宮頸癌、胃癌等であった。930例におけるIL-12と他のサイトカインとの相関を検討したところTNFα、INFγは正の相関をTGFβ1は負の相関を示し、NK活性は明かな相関を示さなかった。さらに、進行末期癌のうちTh1系のサイトカインを2点以上測定可能であった113例の長期経過例で前と後におけるTNFα、IFNγ、IL-12とNK活性との相関を検討した。その結果、TNFαとIL-12、IFNγとIL-12それぞれの相関は前値に比べ免疫療法を3ケ月以上行った後の相関が正の相関を示すことがわかった。すなわち免疫療法を行う事によって、Th1系のサイトカインは相互に作用し抗腫瘍作用を発揮していることが示唆された。Human natural IL-12 inducerを用いる新免疫療法は手術、化学療法あるいは放射線療法と並びえる癌治療法の一つと考えられる。