ポスターセッション

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IDEC-C2B8 (Rituximab)治療後の再発時CD20陰性を示したB細胞リンパ腫の1例 : 木下朝博、永井宏和、村手隆、齋藤英彦（名大・医・一内）

Decreased CD20 expression in a B-cell lymphoma at relapse after treatment with IDEC-C2B8 (Rituximab) : Tomohiro KINOSHITA, Hirokazu NAGAI, Takashi MURATE, Hidehiko SAITO (1st Dept. Int. Med., Nagoya Univ. School Med.)

【はじめに】B細胞抗原CD20に対するマウスヒトキメラモノクローナル抗体、IDEC-C2B8 (Rituximab)は再発性低悪性度B細胞リンパ腫に対して高い有効性を示す。IDEC-C2B8治療により寛解を得た後の再発時に再投与された場合にも約40%の奏功率が報告されているが、再投与時不応症例の詳細は不明である。我々はIDEC-C2B8治療で寛解を得た後、再発時にCD20陰性となったB細胞リンパ腫症例を経験した。【症例】63歳男性。53歳で発症したFollicular mixed cell type lymphoma。1997年2月large cell transformationを伴う広範な骨髄浸潤で3回目の再発を来した。リンパ腫細胞はCD20陽性。救援化学療法に不応であり、4月からIDEC-C2B8, 375mg/m² を週1回合計4回投与。骨髄中の腫瘍細胞は5%以下に減少し、脾腫、汎血球減少なども改善、good PRと判定。化学療法を追加後無治療で経過観察したが、5ヶ月後に再発。骨髄中の腫瘍細胞は細胞表面マーカー、免疫組織学的検討でCD20陰性。IgH、bcl-2遺伝子のサザンブロット解析では、low grade histology時、IDEC-C2B8治療直前とCD20陰性を示した再発時で同じ再構成パターンを示し、同一クローンと考えられた。【考察】IDEC-C2B8治療後CD20陰性を呈する症例の存在は再投与に対する治療抵抗性の機構を考える上で示唆に富む。今後IDEC-C2B8治療後の再発時にもCD20発現について検討することが重要と考えられる。