ABSTRACT 2427(P13-1)
MAGEペプチドを用いたDC vaccineによる癌特異的免疫療法の試み:藤江達郎1, 田原光一郎1, 田中文明1, 定永倫明1, 原口 勝1, 森 正樹1, 竹迫一任2, 秋吉 毅1(1九大・生医研・腫瘍外科、2宝酒造)
Cancer vaccine therapy using MAGE peptide in cancer patients: Tatsuro FUJIE1, Kouichirou TAHARA1, Fumiaki TANAKA1, Noriaki SADANAGA1, Masaru HARAGUCHI1, Masaki MORI1, Kazutoh TAKESAKO2, Tsuyoshi AKIYOSHI1 (1Dept. of Surg, Medical Institute of Bioregulation, Kyushu Univ., 2Takara Shuzo Co., LTD)
【目的】樹状細胞 (DC) にMAGE-3ペプチドをパルスしたDC vaccine療法を消化器癌患者に対して試みているので報告する。【方法】消化器癌 (切除不能及び再発例)を対象にDC vaccine療法を行った。HLA-A2もしくはA24でMAGE-3を発現している消化器癌患者より分離したadherent細胞をGM-CSF, IL-4存在下に1週間培養し、DCを得た。これにペプチドをパルスし3週間毎に投与した。【結果】誘導されたDCの表面マーカーはMHC class I及びclass IIが陽性で、CD86は強陽性、そしてCD14はほとんど陰性であった。この細胞にMAGE-3ペプチドをパルスし、胃癌及び食道癌再発症例に投与を行った。副作用は全く認められなかった。胃癌患者1名についてはDC vaccine投与後、腹壁の転移巣に発赤を伴った潰瘍が形成され、特異的CTLの誘導が可能であった。また、食道癌再発患者1名では、頚部転移巣の縮小(PR)及び中心の壊死を認めており、現在経過観察中である。【結語】MAGE-3 ペプチドを用いた特異的免疫療法の可能性が示された。