ABSTRACT 2428(P13-1)
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ヒト型結核菌体抽出物質Z-100は,担癌状態におけるT細胞のType 1/2バランスの偏向を調節する:岡秀樹,江森豊,大矢宰,林芳郎,野本亀久雄1ゼリア新薬(株)中研,2九大・生医研)

The effect of Z-100, an immunomodulator extracted from Mycobacterium tuberculosis, on the regulation of type1/2 T cell responses in tumor-bearing mice: Hideki OKA1, Yutaka EMORI1, Osamu OHYA1, Yoshiro HAYASHI1, Kikuo NOMOTO2(1Central Res. Labs. ,Zeria pharma.,2Dept. Immunol., Med. Inst. Bioregul. , Kyushu Univ.)

【目的】担癌状態におけるT細胞応答性の不均衡に及ぼす免疫調節剤,Z-100の影響を検討した。【方法】1) BALB/cマウス;Meth-A(1x10^6個)移植マウスに,Z-100 (10mg/kg)を連日,腹腔内に投与し,脾臓細胞のIL-2,IL-4産生能を経日的に測定した。 2)SCIDマウス;担癌21日目の脾臓細胞(1x10^7個)をSCIDマウスに移入した。Z-100(0.1〜10mg/kg)を連日3回, SCIDマウスの腹腔内に投与し,移入3日後に担癌脾臓細胞を回収し,IL-2, IL-4産生能を測定した。【結果】1)BALB/c担癌マウスでは,担癌状態の進行に伴いType-2優位(IL-2: ↓,IL-4:↑)へ偏向しているが,Z-100の投与によりT細胞の応答性はType-1優位(IL-2: ↑,IL-4:↓)へと有意に改善された。2)担癌脾臓細胞を移入したSCIDマウスにおいても,BALB/c担癌マウスと同様,Z-100の投与により用量依存的なT細胞応答性の改善が認められた。この作用は,移入細胞からの付着性細胞除去,2-クロロアデノシン(5mg/kg)の処理,さらには抗IL-12,抗IFN-γ抗体(1mg/kg)処理によって有意に低下した。以上の結果から,Z-100は,担癌宿主のマクロファージに作用し,IL-12および/またはIFN-γの産生を促すことにより,担癌状態におけるT細胞のType1/2バランスの不均衡を調節していると推察された。