ABSTRACT 2429(P13-1)
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ストレス負荷時の内分泌・免疫応答に関する研究-第3報 シリコーシスマウスにおける癌転移への影響:石原陽子1、飯島弘子2、小口義春2、藤井孝美2、松永謙一21東京女子医大・衛生公衛(一)、2呉羽化学・生医研)

The study of stressor-induced endocrinoimmunological responses No.4:Yoko ISHIHARA1, Hiroko IIJIMA2, Yoshiharu OGUCHI2, Takayoshi FIJII2, Kenichi MATSUNAGA2 (1Dept. Hygiene&Public Health(1), Tokyo Women;s Med.Univ., 2Biomed Res. Lab., Kureha Chemical Ind.)

[目的]ルイス肺癌(LLC)転移マウスへのストレス負荷により、脾NK活性低下や血漿ACTHの上昇がみられ、免疫賦活剤の継続投与は肺転移抑制を引き起こすことを報告した。今回は、シリコーシスマウスのLLC転移においてのストレス負荷と免疫賦活効果について検討した。[方法] 1.5月齡C57B/6Nマウスに、5ミクロンシリカ粒子を気管内に単回投与することによってシリコーシスマウスを作成し(S群)、inert粒子投与群 (T群)には酸化チタン粒子を投与した。投与2か月後に、LLC細胞の移植(106 i.v.)前1週間と移植1週後から1週間, 計2週間rotational stressを負荷した。免疫賦活剤(PSK) は、ストレス負荷開始から終了までの3 週間、腹腔内に隔日投与した。移植14日目の肺転移個数、脾臓及び胸腺重量、血漿ACTH, 脾NK活性を測定した。[成績]肺転移個数は、S群で有意に増加し、ストレス負荷によりさらに増大した。この効果は、免疫賦活剤継続投与によって減弱した。T群では、ストレス負荷による明らかな転移数の増加や免疫賦活効果は認めなかった。LLC移植による脾重量と脾細胞数の増加は、S群ではストレス負荷によりさらに増大したが、免疫賦活効果は認めなかった。S 群のストレス負荷による脾NK活性の減少は、免疫賦活化によってやや改善された。[結語]肺転移促進状態では、ストレス負荷が加わることによってさらにその傾向が助長され、それに対する免疫賦活化による抑制効果の一部に脾NK活性が関与している可能性が示唆された。