ABSTRACT 2430(P13-1)
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OK432反応性T cell receptorの遺伝子解析と遺伝子診断:宮原栄治、山口佳之、大田耕司、南 一仁、檜原 淳、沢村明広、峠 哲哉(広島大学・原医研・腫瘍外科)

Gene analysis and gene therapy of OK432-reactive T cell receptor: Eiji MIYAHARA, Yoshiyuki YAMAGUCHI, Koji OHTA, Jun HIHARA, Kosuke NOMA, Akihiro SAWAMURA, Tetsuya TOGE(Dept. of Surg. Oncol, Res. Inst. Rad. Biol. Med., Hiroshima Univ.)

(目的)我々は、癌性胸水症例において、OK432投与後ではTCR Vβ20の出現頻度が有意に高いことを指摘してきた。今回、OK432胸腔内投与が奏効した直腸癌症例のTCR Vβ20 について検討した。(方法)直腸癌性胸水症例に対し、OK432の胸腔内投与を行い、投与前後の胸水を採取し各リンパ球のTCR Vβ20発現をRT-PCR法にて解析し、それらの自己腫瘍細胞障害活性を測定し、抗Vβ20抗体によるblockingを検討した。 Vβ20のclonalityをSSCP法を用いて検討し、そのCDR3 oligonucleotideを作成、Southern Blottingにてその発現を確認した。(結果)OK432投与後リンパ球は自己腫瘍細胞を障害し、抗Vβ20抗体にてblockingすることにより、障害活性は、88.6%から50.6%に低下した。投与後リンパ球のTCR は、Vβ13.2、20であった。SSCPではVβ20にclonalityが認められ3つの異なったCDR3塩基配列が確認された。このうち一つはOK432が奏効した他の癌性胸水症例2例にもその発現が認められ腫瘍特異的なTCRである可能性が示唆された。今後同CDR3を用いたOK432のresponder、non-responderの遺伝子診断の可能性と同時に、同CDR3遺伝子導入による腫瘍特異的免疫療法および対応する癌抗原によるワクチン療法を視野に入れた臨床応用が考えられる。