ABSTRACT 2431(P13-2)
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肺癌患者のNK細胞活性NK細胞活性の検討:中島宏昭, 野口 久(都荏原病, 内)

Elevated serum natural-killer cell activity in patients with lung cancer : Hiroaki NAKAJIMA, Hisashi NOGUCHI (Dept. of Int. Med., Tokyo Metropolitan Hosp.

[目的]長期生存する肺癌患者の中にNK細胞活性の高い例があるが、NK細胞活性が肺癌患者の生存期間、肺癌の進展と関連するのか否か検討した。
[方法]肺癌の診断前と後1ヶ月毎に採血し、NK細胞活性、血算、血液像、腫瘍マーカーを測定した。同時に採血時の自覚症状の種類と程度、気分、病巣の進展度、治療法の種類と効果を調べた。また既に死亡した肺癌患者でNK細胞活性を測定していた例について、NK細胞活性と病巣の進展度、生存期間との関連を検討した。
[結果] NK細胞活性は病巣が進展し、腫瘍マーカーが上がるに連れて低下するものが多かった。治療法の種類にかかわらず、治療後NK細胞活性が50%を越える例と外科的切除、化学療法、放射線療法を全く受けなかった例、および免疫療法を続けた例に、診断確定後2年を越えて生存するものが多かった。生存期間の最長は10年であるが、化学療法、放射線療法が無効で免疫療法を続けた例で、NK細胞活性は60−70%と高く維持されていた。
[考案] NK細胞活性の高低が生存期間と関連していることが示唆され、NK細胞活性を高めることが生存期間を延ばすことにつながる可能性が考えられた。