ABSTRACT 2437(P13-2)
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変異型スーパー抗原を応用した樹立胆管癌細胞株に対する養子免疫療法の検討:兒玉英謙1,桜井直樹1,篠田雅央1,片寄友1,佐伯久明2,市山雅彦2,鈴木正徳1,工藤俊雄2,松野正紀11東北大・医・一外,2加齢研・医用細胞資源セ)

Effective adoptive immunotherapy by LAK cells with mutated superantigen : Hideaki KODAMA1,Naoki SAKURAI1,Masao SHINODA1,Yu KATAYOSE1,Hisaaki SAEKI2,Masahiko ICHIYAMA2,Masanori SUZUKI1,Toshio KUDO2,Seiki MATSUNO1(1 1st Dept. of Surg.,Tohoku Univ.,2Cell Resource Ctr. for Biomedical Res.)

〈目的〉スーパー抗原の一つである黄色ブドウ球菌毒素(SEA)は、MHCクラスII抗原と結合してTCR VβをもつT細胞を活性化するが、クラスII発現の高い組織に集積した場合ショックを起こす可能性がある。そこで、副作用を軽減するためSEAのクラスII結合部位に変異を導入し、その免疫賦活能について検討した。〈方法〉SEAの変異体(SEA D227A)を遺伝子工学的に作成し、クラスIIとの親和性をFACScanで解析した。ヒト末梢血単核球(PBMC)にSEA D227Aを添加し、48時間後のコロニー数を計測した。LAKの樹立胆管癌細胞株(TFK-1)に対するキラー活性をMTS assayを用いて測定し、SEA D227A存在下で活性が増強するかを検討した。〈結果〉(1)SEA D227AとクラスIIとの親和性はnative SEAの約30分の1であった。(2)SEA D227A添加時のPBMCのコロニー形成数は、native SEA添加時の約20%であった。(3)LAKのTFK-1細胞に対するキラー活性は、SEA D227A存在下で有意に増強した。〈結語〉SEA D227AはクラスIIとの親和性が低く、native SEAより副作用の少ない免疫賦活剤として有効と考えられた。