ABSTRACT 2438(P13-2)
ヌードマウス可移植ヒト胃癌株(KT株)に対する5FU、ロイコボリン、PSKの併用効果:岩崎善毅、北村正次、荒井邦佳(都立駒込病院外科)
Antitumor effects of 5FU, leucovorin and PSK treatment for nude mice transplantable cell line derived from human stomach cancer.: Yoshiaki IWASAKI, Masatsugu KITAMURA, Kuniyoshi ARAI (Dept. Surgery, Tokyo Metropolitan Komagome Hospital )
目的:ヌードマウス可移植ヒト胃癌株(KT株)を樹立し、その特性および薬剤感受性を明らかにするために抗癌剤および免疫賦活剤との併用による抑制効果について検討した。方法:リンパ球浸潤型低分化型胃癌より樹立されたヒト胃癌株(KT株)を移植したヌードマウスを被験動物とした。KT株腫瘍細胞についてAlu probeを用いたSouthern blot法によりヒトDNAが証明された。薬剤は5FU 42mg/kg (i.v.)、ロイコボリン 12mg/kg (i.v.)を毎週投与し、これにPSKを経口、腹腔内投与をそれぞれ併用投与した。効果判定は経時的腫瘍増殖および摘出腫瘍重量より増殖抑制率(IR)を求めて比較検討した。結果・考察:5FU単独、5FU+ロイコボリン併用投与のIRはそれぞれ32.7%、50.8%であった。PSK単剤投与では、経口、腹腔内投与のいずれも抗腫瘍効果は低かった(36.9%、36.3%)。5FU+ロイコボリン+PSKの併用ではPSKの経口、腹腔内投与のいずれでも5FU+ロイコボリン併用の抗腫瘍効果を上昇させ(74.1%、65.6%)、対照群に比較し有意にIRが高かった(p<0.02)。PSKとの併用は5FU+ロイコボリン投与のIRを上昇させたことから、消化器癌に対する抗腫瘍効果の有用性が示唆された。