ABSTRACT 2443(P13-2)
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癌患者活性化リンパ球のテロメア・テロメラーゼの解析:南 一仁1、山口佳之1、吉田和弘1、大田耕司1、檜原淳1、宮原栄治1、澤村明宏1、峠哲哉1、田原栄俊2、井出利憲2(1広島大学・原医研・腫瘍外科、2広島大学・医学部・総合薬学科)

Telomere and telomerase of effector lymphocyte in cancer patients :Kazuhito MINAMI1,Yoshiyuki YAMAGUCHI1, Kazuhiro YOSIDA1,Koji OHTA1,Jun HIHARA1,Eiji MIYAHARA1, Akihiro SAWAMURA1,Tetuya TOGE1,Hidetosi TAHARA2,Tosinori IDE2 (1 Dept.of Surg.Oncol,Res.Inst.Rad.Biol.Med., Hiroshima Univ.,2Dept.of Cell. and Mol.Biol.,Hiroshima Univ.)

(目的)癌患者に対する集学的治療の一つとして、活性化リンパ球移入療法を臨床応用してきた。本治療の問題点として癌患者リンパ球の増殖不良があげられる。今回、癌患者リンパ球の活性化に伴うテロメラーゼ活性およびテロメア長について解析した。(方法)未治療癌患者および健常者より末梢血単核球を分離、これをIL-2および抗CD3抗体にて刺激培養、この前後にて単核球のテロメラーゼ活性およびテロメア長を計測した。(結果)療癌患者由来の単核球においても刺激にて健常者と同様にテロメラーゼ活性が誘導された。その相対活性は健常者の140から160Uに対し、癌患者のそれは120から250Uと低下は認められなかった。しかし、その活性は健常者が刺激後36から48時間で検出されるのに対し、癌患者のそれは48から168時間であり、活性検出が遅れる傾向が認められた。テロメア長はpopulation doublingが5~9回の間においては療癌患者および健常者のいずれにおいても短縮は認められなかった。(考察)癌患者リンパ球の増殖不良にテロメラーゼ活性発現遅延の関与が示唆された。