ABSTRACT 2444(P13-2)
免疫治療モデルとしてのMN/CA9遺伝子導入マウス由来腎細胞癌株の樹立:清水一宏1,2,植村天受1,仲川嘉紀1,平尾佳彦1,佐賀信介2,烏山 一3,吉川和宏2(1奈良医大・泌、2愛知医大・2病、3東大・医・免疫)
Establishment of mouse renal cell carcinoma cell lines transfected with human MN/CA9 gene:Kazuhiro SHIMIZU1, Hirotsugu UEMURA1, Yoshinori NAKAGAWA1, Yoshihiko HIRAO1, Shinsuke SAGA2, Hajime KARASUYAMA3, Kazuhiro YOSHIKAWA2 (1Dept. Urol., Nara Med. Univ., 22nd Dept. Pathol., Aichi Med. Univ., 3Dept. Immunol., Tokyo Univ. Med.)
【目的】MAbG250の認識する抗原MN/CA9はヒト正常腎組織には発現を認めず、腎細胞癌(RCC)の約90%と高率に発現を認めるため、RCCの免疫療法の標的となり得る有用な腫瘍関連抗原と考える。今回われわれは、MAbG250を用いた免疫治療における生体のトータルな免疫反応性、液性免疫ばかりでなく細胞性免疫の関与についても検討することを目的として、BALB/c mouseとsyngenic であるRenCa細胞株にMN/CA9遺伝子を導入し、この腫瘍細胞を標的とした新たな免疫治療モデルの確立を目指して標的細胞株の樹立を試みた。【方法】MN/CA9 cDNAをelectroporation法によりマウス由来RCC細胞株に導入し、G418によりtranformantsの選択を行った。Mixed hemoadsorption法により細胞表面に抗原を発現する数種のcloneを分離し、flow cytometeryにより発現の強いcloneを選択した。この株を対象に MAbG250を用いたcomplement dependent cytotoxicity (CDCC) testを行い、標的細胞としての可能性を検討した。【結果】MN/CA9強発現RenCa細胞において、弱発現細胞より有意に強いCDCCが観察され、治療モデルとしての有用性が示唆された。