ABSTRACT 2476(P15-1)
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Comparative genomic hybridization法(CGH)を用いたヒト口腔扁平上皮癌培養株の細胞遺伝学的解析;岡藤正樹1、2, 伊田正道1, 佐々木功典2 (山口大学歯科口腔外科1 第2病理2)

Investigation of genetic alterations detected by comparative genomic hybridization in human oral squamous cell carcinoma cell lines. Masaki Okafuji, Masamichi Ita, Kohsuke Sasaki (Departments of oral Surgery and Pathology, Yamaguchi University School of Medicine)
 
(目的)ヒト口腔扁平上皮癌の遺伝子診断への応用への可能性を検討する目的でヒト口腔扁平上皮癌細胞株において遺伝子異常の解析をおこなった。
(材料)15種類のヒト口腔扁平上皮癌細胞株。
(方法)各細胞株よりDNAを抽出し、蛍光標識した腫瘍 DNA probe と正常 DNA probe を用いて、型通りに、comparative genomic hybridization(CGH)解析をおこなった。
(結果および考察)各株において若干の差はあるものの、共通増幅領域として8q (85%),3q (54%), 6q (38%)がみられた。一方、共通減少領域としては18q (85%), 4q (69%), 21 (38%)が認められた。特に4q32-qter に高頻度に減少が認められた。この変化を呈した株における平均増加箇所数は5.6であり、変化を示さなかった株における3.6を有意に上回った(p<0.05)。
われわれの知るかぎりでは4qにおいて口腔扁平上皮癌の発現、進展に関わる重要な口腔癌関連遺伝子はいまだ報告されておらず、今回の結果から新たな癌関連遺伝子の存在が示唆され、今後新鮮標本との比較検討の必要性が考えられた。