ABSTRACT 2477(P15-1)
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CGH法による食道扁平上皮癌における染色体コピー数異常の解析と転写因子DP-1の増幅:
四ノ宮隆1,3,森俊樹1,有山洋二1,坂部智哉1,福田陽司1,久育男3,村上泰3,中村祐輔1,稲澤譲治1,2(1東大医科研ヒトゲノム解析センター・シークエンス技術開発,2東京医歯大難治研・細胞遺伝,3京都府立医大・耳鼻)


Detection of genomic imbalances in squamous cell carcinomas of the esophagus by Comparative Genomic Hybridization (CGH) : Takashi SHINOMIYA1,3,Toshiki MORI1,Yohji ARIYAMA1, Tomoya SAKABE1,Yohji FUKUDA1,Yasuo HISA3,Yasushi MURAKAMI3,Yusuke NAKAMURA1,Johji INAZAWA 1,2 (1Lab.Genome.Med.,Inst.Med.Sci.,Univ.Tokyo,2 Dept.Molec. Cytogenet., Med.Res.Inst.,Tokyo Med. Dent. Univ., 3Dept. Otolaryng., Kyoto Pref.Univ.of Med.)

【目的】食道扁平上皮癌(ESC)の発生・進展に関わる新たなゲノム異常の検出を目的にCGH法により染色体コピー数の変化を調べた.【方法】ESCの29症例及び食道癌由来細胞株(TE-series)12例を対象にした。さらに食道癌症例で明らかな増幅を検出した第13番染色体長腕q34に 関し,同領域にマップされている転写因子DP-1(E2F dimerization partner gene )の増幅の有無を検討した.【結果】ESCの29症例においてコピー数増加を3q(18/29), 5p(10/29), 7p(6/29), 8q(16/29), 11q13 (8/29), 14q(9/29), 20q(9/29)で,コピー数減少を9p(5/29)にそれぞれ検出した。細胞株では3q(6/12), 5p (7/12),7p(7/12), 8q(10/12), 11q13(9/12), 14q(8/12), 20q(11/12) に増加を、3p(5/12), 4(6/12), 9p(6/12), 18q(7/12)に減少を高頻度に検出した.CGH法で13q34増幅を検出したESC症例および検出できなかった細胞株の各1例でDP-1の明らかな増幅をサザン法で検出した.【考察】新規増幅領域13q34の amplicon内にDP-1が座位し、本遺伝子増幅のESC発症への関与を示唆する。また、CGH法が新規増幅遺伝子座の探索に有用であることが示された。