ABSTRACT 2484(P15-1)
卵巣腫瘍境界悪性型におけるDOP-PCR CGH法 による遺伝学的変化の検索 : 馬屋原健司1、末広 寛1、坂口優子1、村上明弘1、平林 啓1、縄田修吾1、尾縣秀信1、住浪義則1、沼 文隆1、加藤 紘1、坂本 優2、杉下 匡2、天神美夫2 ( 1山口大・産婦、2佐々木研・杏雲堂病・婦)
Genetic analysis of ovarian tumor, borderline malignancy by DOP-PCR CGH : Kenji UMAYAHARA1, Yutaka SUEHIRO1, Yuko SAKAGUCHI1, Akihiro MURAKAMI1, Shugo NAWATA1, Kei HIRABAYASHI1, Hidenobu OGATA1, Yoshinori SUMINAMI1, Fumitaka NUMA1, Hiroshi KATO1, Masaru SAKAMOTO2, Tadashi SUGISHITA2 and Yoshio TENJIN2 ( 1Dept. Obst. and Gyne., Yamaguchi Univ, Sch. of Med., 2Dept. Gyne., Kyoundo Hos. Sasaki Inst. )
【目的】卵巣腫瘍境界悪性型では、採取した組織の大半を正常細胞が占める場合が多く、従来のCGH法では正確な結果を得ることが不可能であった。そのため我々は、卵巣腫瘍境界悪性型に対してマイクロダイセクションを用いたDOP-PCR CGH法 を施行し遺伝学的変化の検索を行った。【検体と方法】検体は卵巣腫瘍境界悪性型11例であり、ホルマリン固定パラフィン切片から腫瘍組織のみをマイクロダイセクションにて採取し、DNA抽出後、DOP-PCRでDNAを増幅しCGH法を施行した。【結果】従来のホルマリン固定パラフィンブロックから抽出したDNA を用いたCGH 法では遺伝学的変化を検出できなかった卵巣腫瘍境界悪性型11例において7例 (64%) に X 染色体の長腕のコピー数の減少を高頻度に検出した。【結論】卵巣腫瘍境界悪性型においてX 染色体の長腕のコピー数の減少は高頻度に認められ重要な遺伝学的変化であることが示唆された。またDOP-PCR CGH 法はこれまで不可能であった上皮内癌や微小浸潤癌などへのCGH 法の応用に新たな道を開き、さらなるCGH 法の発展に寄与するものと考えられる。