ABSTRACT 2488(P15-1)
 ポスターセッション一覧 トップ 


Comparative Genomic Hybridization(CGH)法を用いた胆道領域癌の遺伝子・染色体異常の解析:
白石 慶1,2、草野倫好1,2、小賀厚徳1、沖田 極2、佐々木功典1(山口大2病理1、1内2

Genetic aberrations detected by comparative genomic hybridization (CGH) in biliary tract cancers: Kei SHIRAISHI1,2, Noriyoshi KUSANO1,2, Atsunori OGA1, Kiwamu OKITA2, Kohsuke SASAKI1. (1Dept. of Pathology, 2First dept of Int. Med., Yamaguchi Univ., Sch. of Med.)

【目的】Comparative Genomic Hybridization (CGH) 法を用いて、胆道領域癌の発生・進展に関する染色体・遺伝子異常の解析を試みた。
【方法及び対象】手術、剖検により痘pいて、胆道領域癌の発生・進展に関する染色体・遺伝子異常の解析を試みた。
【方法及び対象】手術、剖検により得られた肝内胆管癌2例、肝門部胆管癌3例、胆嚢癌6例、肝外胆管癌7例、乳頭部癌3例の新鮮凍結標本よりDNAを抽出し、CGHを行った。
【成績】検討した胆道領域癌では、種々の染色体において染色体全体やその一部にgainあるいはlossを認めた。gainは、17qで29% (6/21), 5p, 7p, 12pで24% (5/21), 3q, 8q, 19q, Xqでそれぞれ24% (4/21)に、lossは18qで29% (6/21), 4q, 6q, 9pで24% (5/21), 5q, 6pでそれぞれ19% (4/21)に認められた。膵・胆管合流異常を有する胆嚢癌においては18番全体にgainが見られた。また、各症例における異常領域総数を検討したところ、StageIII (7例)、StageIV (14例)での平均はそれぞれ2.4, 8.1とStageIVで多かった(P<0.05)。
【結論】上記の染色体領域に存在する遺伝子異常が胆道領域癌の発生・進展に関与していると考えられた。また、膵・胆管合流異常を伴う症例での発癌・進展には18番全体のgainが関与していると考えられた。CGHが胆道領域癌の診断ならびに悪性度の評価に大きく貢献することが示唆された。