ABSTRACT 2490(P15-1)
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Comparative genomic hybridization (CGH)法による悪性黒色腫染色体の増幅及び欠失:伊藤裕子1, 清澤智晴2, 村下 理3, 平野 隆11生命工研・生体高分子, 2筑波大・形成,3 群馬大・皮)

Chromosomal gains and losses in malignant melanoma detected by comparative genomic hybridization:Yuko ITO1, Tomoharu KIYOSAWA2, Satoru MURASHITA3, Takashi HIRANO1 (1Natl. Inst.Biosci.Human-Technol., 2Tsukuba Univ., 3Gunma Univ.)

CGH法は全染色体について、遺伝子のコピー数の変化とその領域を同時に特定する方法である。悪性黒色腫の染色体における遺伝子の増幅及び欠失を検出するために、CGH法により解析を行った。
臨床検体(悪性黒色腫)5検体および正常ヒトリンパ球よりDNAを調製し、腫瘍由来DNAをspectrum greenで標識し正常由来DNAをspectrum redで標識した。これらを正常人末梢血由来のメタフェイズにハイブリダイゼーションし、CCDカメラに連動したFISH-CGHソフトウェア(日本システムハウス)により蛍光輝度を測定した。蛍光輝度の比により染色体の増幅、欠失を決定した。
5検体の蛍光比を比較し、共通して変化の見られた染色体11番、16番、19番を詳細に検討した。11qの増幅は乳癌、胃癌等で多く報告されるが、5検体中1検体に著しい増幅が見られた。16番の欠失は肝癌、乳癌等で報告され、同様に2検体で欠失が見られた。19番は5検体に共通して欠失の傾向が見られた。現在これらの染色体変化に関連する遺伝子を調べるとともに、他の皮膚腫瘍についてのCGH法による解析を進めている。