ABSTRACT 2501(P15-3)
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RT-PCR を用いたリンパ性腫瘍の遺伝子診断:赤木 究1,新井 吉子1埼玉がんセ・研,2埼玉がんセ・病)

Genetic diagnosis of lymphoid tumors with RT-PCR: Kiwamu AKAGI1, Yoshiko ARAI2 (1Saitama Cancer Ctr. Res. Inst., 2Saitama Cancer Ctr. Hosp.)

リンパ性腫瘍の診断は、組織学的、細胞免疫学的方法により行われる。また、サザンブロット法、PCR法を用いた腫瘍のクローナリティも補助的診断として利用されている。特に、Bリンパ系腫瘍は、免疫グロブリン遺伝子の再構成をPCR法により比較的容易に解析でき、クローナルな増殖かどうかを判定することが可能である。しかしこの場合、nested PCRが要求されるケースも多く、また、実際Bリンパ腫瘍でありながらクローナリティが証明できないケースもある。
今回我々は、リンパ節生検組織よりRNAを精製し、RT-PCRにより組織検体のクローナリティを調べた。その結果、ゲノムDNAを用いたPCR法では判定のつかなかったケースでも、RT-PCR法によりクローナルな増殖と判定することができた。つまりRT-PCR法のほうが診断的感度がよいとの結果を得た。現在、症例数を増やしてその再現性を確認すると同時に、その他の分化段階特異的、組織特異的遺伝子や癌関連遺伝子等の発現を同時に調べることにより、その組織検体の性状を遺伝子レベルで診断することを検討中である。