ポスターセッション

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扁平上皮癌（Squamous cell carcinoma）抗原のmRNAに対するRT-PCR法を用いた血中食道癌細胞の検出：加賀野井純一,嶋田裕,加納正人,渡辺剛,今村正之（京大・腫瘍外科）

Detection of circulating Squamous Cell Carcinoma（SCC）cells in esophageal cancer patients by amplification of SCC antigen-mRNA with reverse transcriptase nested polymerase chain reaction：Junichi KAGANOI,Yutaka SHIMADA,Masato KANO,Go WATANABE,Masayuki IMAMURA（Dept. of Surgery & Surgical Basic Science，Kyoto Univ.）

<目的>末梢血中浮遊食道癌細胞の検出。<対象>当科に於ける食道癌症例(手術症例13例、遠隔転移4例、再発1例、術後外来患者12例) <方法/材料>(1.)EDTA採血を行いLymphoprepで分離したリンパ球分画よりAGPC変法にてRNAを抽出後nested RT-PCRを施行した。(2.)感度検定には健常者の末梢血と当教室の食道癌細胞株(KYSE-series)を混合した。<結果>(1.)培養細胞株ではSCC抗原のmRNA発現はすべて陽性。(2.)健常者19例は陰性。(3.)感度検定モデル；全血-癌細胞1×100個/ml、リンパ球分画-癌細胞1個/ml 。(4.)食道癌手術症例13例(TNM；Stage2A-2例、2B-4例、3-7例)の検討；術前のみ陽性が2例、術前・術中陽性で術後陰性が1例、術中のみ陽性が2例。また術直前まで化学療法を施行した6例はすべて術前採血は陰性、非施行7例中3例で陽性。(5.)食道切除術術後の局所再発に癌性胸膜炎を伴う1例及び肺転移の1例で陽性。この陽性であった肺転移の1例に対して放射線療法を先行治療とし化学療法を施行したところ化学療法中に陰性化した。<結語>SCC抗原のmRNA発現を指標に末梢血中の浮遊食道癌細胞の検出を試みた。健常者は陰性であり食道癌患者の末梢血中浮遊癌細胞を検出する標的遺伝子となり得ると考えられ (1.)手術及び放射線・化学療法の効果判定 、(2.)危険群の予測 、(3.)化学療法に於ける薬剤の感受性の判定について有益であると考えられた。