ABSTRACT 2506(P15-3)
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RT-PCR法を用いた胃癌および結腸癌における微小腹膜播種性転移の診断:青木信一郎,高木幸浩,杉山保幸,国枝克行,佐治重豊(岐阜大,2外)

Detection of peritoneal micrometastases from gastric and colonic cancer by reverse transcriptase-polymerase chain reactions using carcinoembryonic antigen and cytokeratin 20 : Shinichirou AOKI,Yukihiro TAKAGI,Yasuyuki SUGIYAMA, Katsuyuki KUNIEDA, Shigetoyo SAJI (2nd dept. of surgery,Gifu Univ.School of Med.)

【目的】 胃癌および結腸癌において腹腔洗浄液を用いてCEA及びCytokeratin 20(CK20)のmRNAをtargetとしたRT-nested PCRを行い、微小腹膜播種性転移の存在を検索した。
【対象と方法】対象は腹膜播種性転移(P)と洗浄細胞診(CY)が共に陰性であった胃癌45例、結腸癌25例で、P(+)CY(+)の胃癌、結腸癌各5例、良性疾患19例を対照とした。方法は開腹時に生食500mlで腹腔内を洗浄した。
【結果】1)良性疾患は全例CEA,CK20共に陰性で、P(+)CY(+)の胃癌、結腸癌は全例共に陽性。2)胃癌症例でCEAまたはCK20の検出率は、総合的進行程度別でstage1a:0/15,1b:2/11,2:2/7,3a:4/7,4a:1/1,4b:2/4で、stage2以下で12.1%,3以上で58.3%であった。また深達度別でt1:0/16(0%)、t2:8/22(36.4%)、t3:4/7(57.1%)であった。3)結腸癌症例でCEAまたはCK20の検出率は組織学的病期別でstage0:0/1,1:0/1,2:5/7,3a:2/8,3b:3/5,4:0/2で、 stage2以下で50.0%,3以上で33.3%であった。また深達度別でm〜mp:0/3(0%)、ss〜si:10/22(45.5%)。 4)観察期間は短いが、現在P(-)CY(-)でCEA(+),CK20(+)の胃癌1例(ss,n0,stage1b)に腹膜再発を認めている。
【結語】RT-PCR法は微小腹膜播種性転移の診断に有用と考えられた。