ABSTRACT 2551(P15-7)
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in vivo electroporationによる筋肉への高効率DNA導入法とサイトカイン発現への応用 : 相原裕之,宮崎純一 (阪大・医・栄養)

High efficiency DNA transfer to muscles by electroporation and its application to cytokine delivery : Hiroyuki AIHARA,
Jun-ichi MIYAZAKI (Dept. Nutri. Osaka Univ. Med. Sch.)

プラスミドDNAを直接筋肉に注入し筋細胞内で遺伝子を発現させることが可能である。この方法はDNAワクチン法として有効性が示されてきているが、導入遺伝子の発現レベルが低いという問題が課題として残っている。今回我々は、in vivo electroporationの技術をこの方法に応用し、遺伝子導入効率の改善に成功したので報告する。マウスの両側前脛骨筋へ発現プラスミドDNA (pCAGGS-IL-5、pCAGGS-lacZ、pCAGGS)を100μg筋注した後、針型の電極で電気パルスを与えた。その後、血清IL-5をELISAで測定し導入遺伝子の発現効率をみた。またβ-galactosidase活性を前脛骨筋のX-gal染色で評価した。筋注5日後の血清IL-5は、従来法の550 pg/mlに対し、電圧100 Vでelectroporationを行った場合は25000 pg/mlと発現効率の著明な改善がみられ、しかも長期的に安定した発現がみられた。組織化学染色ではelectroporationにより、多くの広範囲な筋線維での発現がみられ、発現強度から細胞当たりの導入コピー数も多いと推察された。electroporationにより筋細胞に効率的に発現プラスミドが導入され、サイトカインの持続投与が可能になり、ヒトにおける免疫制御に利用できると期待される。