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原発性肺癌例における胃潰瘍及び胃切除既往歴：今泉忠芳（ランドマーク・クリニック）

Past history with gastric ulcer and gastrectomy in primary lung carcinoma : Tadayoshi IMAIZUMI (Landmark Clinic)

〔目的〕原発性肺癌例の既往歴をみると、胃潰瘍の既往歴を有する例が多いことに気が付く。今回は、原発性肺癌例において、胃潰瘍及び胃切除の既往歴の頻度を観察することを目的とした。〔対象〕原発性肺癌317例（男性245例、女性72例；平均年令67.3）、対照475例（人間ドック受診者より無作為抽出）（男性331例、女性160例；平均年令62.6）を対象とした。〔方法〕既往歴（胃潰瘍及び胃切除）の調査を行った。
〔結果〕胃疾患（胃潰瘍+胃切除）：原発性肺癌例20.8%、対照例14.0%（P<0.02）、胃潰瘍：原発性肺癌例18.0%、対照例10.7%（P<0.05）、胃切除：原発性癌例13.5%、対照例4.2%（P<0.001）、胃疾患罹患から原発性肺癌発症までの年数：1年から39年にわたってみられた。　原発性肺癌の組織型：胃疾患の頻度において、原発性肺癌の組織型による差はみられなかった。　なお十二指腸潰瘍の既往歴（胃切除の例を除く）を有する原発性肺癌例はみられなかった。〔要約〕原発性肺癌例では胃潰瘍及び胃切除既往歴を有する例の多いことが観察された。