ABSTRACT 2600(P17-2)
日本人における後天性色素性母斑の発生頻度ーメラノーマ患者と非メラノーマ患者の比較調査ー小口美抄枝、小口真司、斎田俊明(信州大皮膚科)
Incidence of acquired melanocytic nevus in Japanese persons: Comparison between melanoma and non-melanoma patients. Misae OGUCHI1,Shinji OGUCHI1,Toshiaki SAIDA1 (1Dept.of Dermatol. , Shinshu Univ.)
目的と方法:白人では色素細胞性母斑の数がメラノーマのrisk factorの一つであることが示され、疫学的調査が行われている。しかし、本邦では本格的な調査はなされていない。そこで、1998年1月から4月まで当科外来の初診患者150人と当科follow中のメラノーマ(MM)患者15人を対象に、2@以上の後天性色素細胞性母斑(AMN)の数を調査した。結果:AMNが主訴の患者(主訴群)18人を除く患者(非主訴群)132人中AMNを有する患者は102人(77.3%)であった。MM患者(MM群)は15人全員がAMNを有していた。一人当たりのAMNの平均個数は、非主訴群3.26個、主訴群11.56個、メラノーマ群5.27個であり、年齢別では30歳台が最も多く9.56個、10歳以下は0.5個であった。最大径は2@から3@までが多く、7@以下のAMNが99.3%を占めた。結論:日本人のAMNは7@以下の小型の病変がほとんどで特に2@から3@までのものが多かった。AMNが主訴の患者で数が多く、若年者には少なかった。MM患者は非主訴群患者よりもAMNの数が多い傾向がみられた。