ポスターセッション

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肺がん高率地域(大阪府・沖縄県)と低率地域(長野県佐久地域)における組織型別肺がん罹患率の比較：祖父江友孝¹, 津熊秀明², 大島明², 源河圭一郎³(¹国立がんセ・研・がん情報, ²大阪成人セ, ³国療沖縄病)

Lung cancer incidence rates by histologic type in high and low risk areas: Tomotaka SOBUE¹, Hideaki TSUKUMA², Akira OSHIMA², Keiichiro GENKA³, (¹ Cancer Information and Epidemiol. Div. Natl. Cancer Ctr. Res. Inst., ² Osaka Med. Ctr. for Cancer and Cardiovascular Dis., ³ National Okinawa Hosp. )

〔目的・方法〕都道府県別に肺がん死亡率の年次推移を比較すると、大阪、沖縄が高率地区、長野が低率地区であり、その差が年々拡大してきていることを示している。大阪府がん登録資料(1990-93年)、沖縄県がん登録資料(1988-92年)、および、長野県佐久地域(佐久市、南佐久郡)がん登録資料(1990-96年)とを用いて、組織型別肺がん罹患率を比較した。組織型不明者における組織型分布は、同性同年齢層の判明者と同じと仮定して、性・年齢・組織型別罹患率を計算し、累積罹患リスク(0-74歳、対1,000人)を求めた。
〔結果〕全肺がん累積罹患リスクは、男では、大阪48.3、沖縄56.6、長野37.4、女では、大阪14.0、沖縄13.8、長野11.4であった。組織型別(扁平上皮、腺、小細胞、大細胞)では、大阪(18.5、17.6、9.0、3.2)、沖縄(27.2、20.7、7.3、1.1)、佐久(16.2、11.5、4.6、4.1)となり、佐久に比べて、大阪、沖縄ともに、腺がん、小細胞がんが高かった。扁平上皮がんについては、沖縄においてのみ高かった。女では、大阪(2.5、8.6、2.0、0.6)、沖縄(2.8、9.1、1.3、0.3)、佐久(1.0、8.6、0.5、0.8)となり、佐久に比べて、大阪、沖縄ともに扁平上皮がん、小細胞がんが高く、腺がんについては3地域ともほぼ同じレベルであった。
〔結論〕肺がん高率地域と低率地域との間で、肺がん組織型分布に差があることが示唆された。(本研究は、佐久地域がん登録委員会との共同研究として実施した。)