ABSTRACT 2610(P17-3)
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多治見地区小型肺腺癌の偏光性結晶 第2報:水島睦枝(岐阜県立多治見病院・病理診断部)

Polarized crystals in small adenocartinomas of thelung 2nd report: Mutsue MIZUSHIMA(Dept. of diagnostic pathol., Gifu Prefectural Tajimi Hospital)

(目的)第56回本会で、当院は美濃焼陶器の中心地で塵肺 が多く肺腺癌が多いこと、塵肺結節には微細偏光性結晶 を認め、結節に接した癌例を報告した。今回沈着結晶の顕微分析を行ったので報告する。
(材料・方法)本院で摘出 した小型肺腺癌3例および塵肺結節に炎症を伴い肺癌と 思われた小結節病変1例(S)を検索した。ホルマリン固定腫瘍黒色部とS結節を200nm切片にしニッケル製グリッ ドに支持し、日本電子JEM200CXにKevexのエネルギ−分散型X線分析装置で分析した。症例はいずれも非喫煙者で、臨床病理学的事項および病理組織学的事項も検索した。
(結果)顕微分析結果では4例すべての細胞内黒色沈着粒 子に珪素とアルミニュウムがみられ、癌症例にはその他 鉄、亜鉛、カリウムなどが検出された。
(結語)全4例陶器関係職歴で、癌2例はリンパ節転移あり、P53陽性。もう1例は2年後肺の他部位に腺癌。 顕微分析 では、非癌症例に比し、癌症例の沈着粒子に鉄、亜鉛、カリウムなど多種類の物質の検出されたことは興味深い。 分析をして頂いた浜松医大村中祥悟先生ならびにP53染 色をして頂いた高知医大園部宏助教授に深謝します。