ABSTRACT 7(1-1)
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CYP1A1及びGSTM1遺伝子多型の膀胱癌発がん感受性素因としての意義について
木原 正博1、木原 雅子1、三浦  猛21神奈川県立がんセ・研・疫学、2神奈川県立がんセ・泌)

CYP1A1 and GSTM1 gene polymorphisms as possible markers for susceptibility to bladder cancer: Masahiro KIHARA1, Masako KIHARA1, Takeshi MIURA2 (1Dept. Epidemiol.,Res.Inst., Dept.Urol.,2Kanagawa Cancer Center)

【目的】喫煙者の膀胱癌発がんにおけるcytochromeP4501A1(CYP1A1)及びglutathione S-transferase (GSTM1)遺伝子多型の意義を解析する。
【方法】対象者:患者対照共に50歳以上の男性。膀胱癌患者128名(喫煙者102名、非喫煙者26名)、健康対照303名(喫煙者215名、非喫煙者87名)。測定:白血球のDNAを用い、PCR法で CYP1A1遺伝子の変異(MspI多型)及びGSTM1遺伝子欠損の有無(表中+,-)を検出した。
【結果】 GSTM1 及びCYP1A1の遺伝子変異は、それぞれ単独で、膀胱癌発癌リスクを上昇させる傾向が認められ(Odds比=1.76及び2.23)、それらが共存すると、相加的に上昇した(Odds比=3.47、95%CI=1.44-8.51)。

CYP1A1GSTM1患者対照Odds比95%CI
A+10(9.4%)38(20.5%)1.00
A-20(18.9%)43(23.2%)1.76(0.68-4.66)
B+C+34(32.1%)58(31.4%)2.23(0.92-5.47)
B+C-42(39.6%)46(24.9%)3.47(1.44-8.51)
A=wild/wind,B=wild/mutated,C=mutated/mutated

【結論】CYP1A1、GSTM1の遺伝子変異の組み合わせが、膀胱癌の発癌リスクを一部規定する遺伝的要因であることが示唆された。