ABSTRACT 13(1-2)
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Helicobacter pylori (HP)感染スナネズミを用いた腺胃発癌実験における腸上皮化生(IM)病巣の解析:丸田福門1,杉山敦1,石田公孝1,池野龍雄1,村上真基1,川崎誠治1,太田浩良2,勝山努2,立松正衞3(1信州大医・1外,2中検,3愛知がんセ・研・1病理)

An analysis of intestinal metaplasia and carcinoma in glandular stomach of Mongolian gerbils infected with HP:Fukuto MARUTA1,Atsushi SUGIYAMA1,Kimitaka ISHIDA1,Tatsuo IKENO1,Maki MURAKAMI1,Seiji KAWASAKI1,Hiroyoshi OTA2,Tsutomu KATSUYAMA2,Masae TATEMATSU3(1Dept. of Surgery and 2Laboratory Medicine,Shinshu Univ. ,3Lab. Pathol. ,Aichi Cancer Cent. Res. Inst.)

(目的)我々は、N-methyl-N-nitrosourea(MNU)投与スナネズミ(Mg)においてHP感染が胃発癌を促進することを証明した。今回、同モデルにてHP感染、胃癌、IMの関連を解析した。 (方法)7週齢Mgに、HP接種1週後から20週MNU10 ppm投与(A)、MNU30 ppm6週投与後HP接種(B)し、40週で屠殺、摘出した胃を組織学的に 1.胃癌発生率、組織型、分布、2.背景粘膜のIM腺管数、分布、形態について検討した。
(結果)A群19匹中7匹、B群18匹中6匹に胃発癌し、組織型はwell.5例、por.2例、sig.6例で、発癌部は幽門粘膜の小彎10例、前壁1例、後壁2例であった。A群1匹あたりIM腺管数は、18.2±17.4個で同濃度MNU投与HP非感染群より有意に多かった。 しかし、癌病巣とIM病巣の連続性はなかった。
(結語)1.MNU投与MgではHP感染で有意に発癌が促進され背景粘膜にIMが発生した。2. IMは胃癌随伴病変と示唆されるが前癌病変とは断定できない。