ABSTRACT 15(1-2)
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DEN誘発マウス肝発癌過程におけるFas-mediated apoptosisの効果 : 原 明1、山田泰広1、松永研吾1、川端邦裕1、吉見直己1、杉江茂幸2、森 秀樹1(岐阜大・1病理、2動物実験施設)

Effects of Fas-mediated liver cell apoptosis on DEN-induced hepatocarcinogenesis: Akira HARA1, Yasuhiro YAMADA1, Kengo MATSUNAGA1, Kunihiro KAWABATA1, Naoki YOSHIMI1, Shigeyuki SUGIE2, Hideki MORI1 (1Dept. of Pathol., 2Div. Animal Res., Gifu Univ. Sch. of Med.)

(目的)肝細胞は多量のFasを発現し、劇症肝炎あるいは慢性肝炎の際に、Fasを介した肝細胞のapoptosisの関与が推測されている。我々は、 in vivoにおいてFasを介した肝細胞のapoptosisを誘導する抗マウスFasモノクロナール抗体を使用して、diethylnitrosamine(DEN)投与マウスにおけるFasを介したapoptosisの肝発癌過程に対する効果を検討した。(方法) 実験1:抗Fas抗体を(1)高用量(5microgram/body)投与群、(2)低用量 (2microgram/body)投与群にそれぞれi.p.し、12時間後の肝細胞の変化をHE染色、TUNEL染色にて検討した。実験2:生後14日のC3H/HeJマウスに対するDEN(10mg/g)i.p.投与の有無、高用量抗Fas抗体1回または、3週ごと5回投与、低用量抗Fas抗体1回または、5回投与の各条件により8群に分けた。(結果)実験1:(1)劇症肝炎を模倣する著明な肝細胞死を認め、中心静脈周囲を除く大半の肝細胞にapoptosisを認めた。(2)慢性肝炎を模倣する散在性肝細胞死を認め、散在性にTUNEL陽性細胞を認めた。実験2:DEN投与3週後、高用量抗Fas抗体投与群ではDEN単独投与群に比べadenoma、癌とも発生は低下した。低用量抗Fas抗体5回投与群では、DEN単独投与群に比べ癌の発生が著明に増加した。(結論)Fasを介したapoptosisは、DEN投与マウスに対し、劇症肝炎様肝細胞死の際には肝腫瘍発生を抑制、慢性肝炎様肝細胞死の際には肝癌発生を促進する。