ABSTRACT 25(1-3)
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Pbex1: Pre-B リンパ腫好発系SL/Khの骨髄Pre-B細胞増殖による定量的形質遺伝子座: 路 霊敏、島田玲児、東 新、日合 弘(京大医・院・病態生物)

Pbex1: A QTL inducing pre-B cell expansion in precancer- ous BM of lymphoma-prone SL/Kh mice: Lingmin LU, Reiji SHIMADA, Shin HIGASHI, Hiroshi HIAI (Dept. Pathol. & Biol. Dis., Kyoto Univ. Grad. Sch. Med.)

Pre-B リンパ腫好発系SL/Khマウスではリンパ腫発生に先立ち、1ケ月齢前後で骨髄内でPre-B細胞のポリクローナル増殖がみられ、Bp-1陽性細胞が骨髄リンパ球の約30-40%に達する(他系では3-7%)。この増殖はリンパ腫の原因因子であるレトロウイルスによるものではなく、SL/Khの骨髄幹細胞の遺伝的特性であることを報告してきた。その責任遺伝子を同定するため、リンパ腫の自然発生を示さず、Pre-B細胞レベルが正常であるNFS系とのF2 (N=159), NFSへの戻し交配系(N=334)について骨髄Pre-B細胞を計測し、かつ腎DNAについて多型マイクロサテライト座位の遺伝型を決定した。予備的ゲノムスキャンに続き、Map Maker/QTLソフトウエアによる解析の結果、第3染色体マップ位置61.0 cMにLOD score 22.7を示す定量的形質遺伝子座をマップし、Pbex1と命名した。この位置にはT, Pre-B細胞特異的なトランスクリプションファクターLEF1が局在していた。Pbex1とリンパ腫の遺伝的感受性の関連について述べる。(文部省科研費)