ABSTRACT 44(2-1)
C型肝炎ウイルス感染細胞におけるアポトーシス感受性についての検討:
丸澤宏之1、土方 誠2、千葉 勉1、下遠野邦忠2(1京大消内、2京大ウイルス研)
Apoptotic susceptibility of hepatits C virus infected cell: Hiroyuki MARUSAWA1, Makoto HIJIKATA2, Tsutomu CHIBA1, Kunitada SHIMOTOHNO2 (1Dept.of Gastroenterology, Kyoto Univ., 2Inst. Virus Res., Kyoto Univ.)
【目的】C型肝炎ウイルス(HCV)感染細胞におけるアポトーシス感受性を、transientなHCVタンパク質発現系を用いることにより解析する。
【方法】各種HCVタンパク質の発現ベクターを作成し種々の培養細胞株にtransientなtransfectionを行った。この時同時に細胞に導入し発現させた特異的な膜抗原を利用しウイルスタンパク発現細胞を濃縮・分離する。これら細胞群における TNF、anti-Fasに対する感受性の検討を行う。
【結果】各種HCV蛋白のうちCoreタンパク質発現細胞において特徴的に、細胞致死率の減少、Caspase活性の減弱といったアポトーシス抵抗性の獲得が確認された。この現象はアポトーシス誘導因子と細胞株の組み合わせにより程度の差はあるものの共通に認められた。
【結論】HCV Core蛋白がHCV感染細胞のアポトーシス抵抗性の獲得に強く関与している可能性が示唆された。